1995年1月17日 阪神大震災がおこりました。
我家は半壊し、電気は数時間で復旧したものの、水道は数ヶ月止まったままで、本当に不自由な生活を余儀なくされました。
そして、被災をしたのは人間だけではなかったのです。
多くの犬や動物たちも被災し、 1000 頭近くの犬達が、動物愛護センターに保護されていたのです。
当時、我家にはマルチーズとヨークシャテリアの2頭の犬いました。
そこに、保護施設で生まれた新しい命(子犬)が我家へやってきたのです。
私たちは被災し、大変な生活を送っていましたが、やってきた子犬は本当に無邪気で、
私たちに笑顔という大きな力を与えてくれたのです。
思ってみれば、被災したのは私たちだけではなかったのです。この無邪気に駆け寄ってきて、笑顔をくれるこの子犬も被災したんだ、ということに気付かされたのです。
この犬こそがマリリンです。
マリリンに出会えたことが今の私の出発地点となったのです。
こうして多くの犬たちと生活をしていたある時、犬の神秘的な力を目の当たりにする出来事がありました。
当時同居していた祖母が元気だった頃は、この3頭の犬の世話係は祖母の大切な仕事の一つだったのです。
そんな祖母が他界する前、認知症になってしまいました。介護をしている私たちのことを忘れてしまい、食事をしたことすら忘れてしまうほどでした。
しかし、そんな祖母が唯一覚えていたのは当時飼っていた「愛」と言う名のマルチーズだったのです。
認知症になりほぼ寝たきりの祖母のひざの上に「愛」を乗せると、祖母は「愛ちゃん、お散歩に連れて行ってあげるね、ご飯をあげないとね」としっかり名前を呼び話しかけるのです。
「自分の存在が犬たちの為になっている。」そう思うことが生きる大きな力となり、そして、そんな思いに犬たちは無償の愛で答えてくれるのです。
これこそが犬が本来持っている神秘的な力なのです。犬は人間では入りきれない隙間に光を差し込むことが出来るのです。
マリリンからもらった笑顔という元気、勇気、希望、そして、多くの犬たちが見せてくれた神秘的な力をもっと多くの方々とも分かち合いたい。
そんな思いでドッグセラピストになりました。 |